第14回 鉄欠乏性貧血について
2022年1月31日 人生100年
2022年1月31日 プリンラボ
鉄欠乏性貧血について
ゼリア新薬 田野なつみ 氏
貧血とは血液中のヘモグロビンが減少した状態で、ヘモグロビンは全身に酸素を運んでいるため、減少すると体に十分な酸素がいきわたらず、様々な症状が出現する。
最も多くみられているのが鉄分不足によりおこる鉄欠乏性貧血であり、鉄の需要と供給のバランスが崩れることにより発症する。
世界における女性の鉄欠乏および鉄欠乏性貧血の頻度について、日本は20~49歳で19.8~26.6%、12~89歳で8.5% であり、妊娠可能年齢女性において、他国より鉄欠乏性貧血の頻度が高い。
現因の内訳として、女性の性器出血は31.6%、消化管出血は10.3%、鉄の摂取不足には、極端な菜食主義、ダイエット、摂食障害、社会的要因による低栄養・飢餓などが考えられる。
妊娠していない女性の場合、鉄欠乏性貧血の原因の1つに過多月経が挙げられる。
月経出血が80mLを超えると過多月経とされ、半数以上で貧血が起こる。
昼間でも夜用ナプキンをつける、普通サイズのナプキン1時間ごとに交換、レバーのような血の塊が出る、1週間以上出血が続くという場合は、過多月経を視野に受診をすすめる。
健康女性に比して過多月経がある女性では仕事や家事といった日常役割機能(身体ならびに精神)に影響があることが多い。
鉄欠乏性貧血の治療には経口薬、注射、点滴がある。
貧血には、疲れやすい、めまい、頭痛、少し動いただけで動悸息切れがする、顔色が青白い、眼の内側の粘膜が青白い、 食べ物が飲み込みにくい、舌に違和感がある(しみる、ひりつく)、氷が無性に食べたくなる、爪が割れやすいという症状がある。