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プリンシパル研究所

第25回 HPV9価ワクチン定期接種について

  2023年3月27日    人生100年

2023年3月27日

MSD製薬 大野 博之 氏   (株)モロオ 栗田 氏

4月より、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの9価ワクチンが定期接種に加わりました。

子宮頸がんの発症数は約10,000人/年、死亡者数は約2,900人/年と報告されている。

なかでも、20~30歳代で女性の出産年齢と子宮頸がんの罹患年齢が重なっている。

子宮頸がんの罹患年齢は出産年齢と重なり、ライフイベントに様々な影響を及ぼす可能性がある。

子宮頸がんの治療成績は向上しているが、手術による後遺症や身体的・精神的負担などで苦しむ患者さんも少なくない。

HPVはありふれたウイルスで、海外の報告では、異性との性経験のある女性の84.6%が一生に一度は感染すると推計されている。

HPVには200種類以上の型があり、皮膚に感染するもの性器や粘膜に感染するものに大別される。

高リスク型のHPVに感染しても、必ずがんになるわけではなく、感染してもそのウイルスの多くは自然に身体から排除される。

ただし、一部のウイルスが持続感染することで、数年から数十年という時間を経てがんへ進行することがある。

4価HPVワクチンにさらに5つ型が加わった9価のHPVワクチンを接種することで、より幅広いHPV型に対する疾患の予防が期待できる。

日本では、浸潤性子宮頸がん患者の90.8%がいずれかのHPVに感染している。

そのうちのHPV感染患者のHPV16/18型で65.4%、HPV31/33/45/52/58型を含めると88.2%となる。

HPVワクチンで子宮頸がんを予防し、接種後の20歳を過ぎたら子宮頸がん検診を受け、早期発見に努めていきましょう。

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