第31回 経口避妊薬について
2023年12月26日 人生100年
2023年12月26日
富士製薬工業株式会社 太田幸二 氏 小原理太郎 氏
日本で使える避妊法にはコンドームやリズム法、避妊手術、子宮内リング、ピル等があります。
アメリカのデータですがどの避妊法でも100%の避妊は出来ていません。
OCは飲み忘れで失敗率が高くなります。
OCには2種類の成分、卵胞ホルモンと黄体ホルモンがあります。
OCは3つの作用があり、
①排卵を抑える
②精子の侵入を防ぐ
③受精卵を着床しにくくする。子宮内膜がふかふかにならない。
OCは1日1回同じ時間に飲みます。
初めてOCを飲む場合は、月経初日から服用開始するタイプ、月経開始後の最初の日曜に開始する、の2通りがあります。
日本では現在、女性ホルモンの配合量の違いにより一相性と三相性タイプがあります。
OCの副作用は飲み始めの1,2か月に多く、吐き気、乳房の張り、頭痛、不正出血等があります。
重大な副作用は希ですが足の痛み、腫れ、頭痛などがあります。
飲み忘れが1日なら気づいたときに1錠をすぐ飲みます。
飲み忘れは2日以上なら服用を中止し次の月経を待ち、出血が始まったら5日以内に服用開始します。
WHOでは1,2日のみ忘れならそのまま。
3錠以上の飲み忘れが最初の14日間に起こったら再開後の7日間は排卵のリスクがありますのでコンドーム使用をして避妊してください。
WHOのOCのみ忘れで検索するとフローチャートが出てきます。
OC飲み忘れ防止にアプリがありますので使いましょう。
OCは長期間の服用が出来ます。定期的に医師の診察を受けて下さい。妊娠希望の時はOC中止後の排卵や月経は3か月以内に回復します。
乳がん発症率について上昇するという報告もあるし、差が無いとする報告もあります。
2008年からOCは月経困難症の治療薬として保険診療で使えるようになりました。