第36回 HIV/AIDSの基礎知識
2024年7月22日 人生100年
北海道大学病院 医科外来ナースセンター/HIV診療支援センター
渡部看護師に出張研修お願いいたしました。
HIV感染症とエイズの違い
23個のエイズ指標疾患がある。よく見られるのは食道カンジダ、肺炎きっかけの事もある
国内の新規HIV感染者は2000年頃がピークで少し増加、AIDS患者報告数は凸凹しているが昨年が増えている。道内では700人弱。道内ではエイズ発症してからHIV感染が分かる例が多い。
HIVはどうやって感染するか
HIV感染経路は血液凝固性製剤投与当時アメリカ製の非加熱製剤だった、麻薬常習者針の使いまわし、医療現場の針刺しリスクとしては弱い、一番多いのは性行為での感染、他に母子感染もある対策は可能
感染判明のきっかけは二通り。保健所の匿名検査か医療機関で判明。例えば梅毒感染あり検査で判明するケース、妊娠中の血液検査で判明することもある
サークルさっぽろ毎週土曜に検査が出来る。
HIV感染症検査診断;まずスクリーニング検査、陽性なら確認検査、確認検査でも陽性ならHIV感染
実際に擬陽性もある、ただし感染直後の8週間以内ウインドウピリオドの場合は日にちを開けて再検査が必要
臨床経過
HIVはCD4リンパ球を破壊する、1から3か月の急性期を過ぎると無症候性キャリア期が数年から10数年あり、その後1から5年をAIDS期となる
若いのに帯状疱疹の反復がある等も感染を疑うきっかけとなる
性感染症の既往や疑いがある場合はHIV抗体検査は保険適応がある
HIV抗体検査は口頭同意でOKである積極的に検査してほしい
薬は進歩していて、ビクタルビ1錠に3種類の薬が入っている。1錠7000円くらい。
HIV感染有無による平均余命の差は短縮している
医療者の針刺し事故 HB肝炎ウィルス30%に対しHIV感染は0.3%以下
針刺ししたら直ぐに部分洗浄、患者さんのHIV感染検査 過度の心配する必要はない、HIV感染者の場合は予防内服する4週間服用、半年後までHIV抗体検査を受ける。
標準の要望策スタンダードプリコーションでよい
U=U 検出限界以下ならほかの人に感染しない
パートナー1試験;コンドーム無しの性交でHIV感染者で治療中のパートナーから感染はゼロだった
パートナー2試験;ゲイカップルでも同様にゼロだった
母子感染について 以前は30から40%母子感染していた。日本では2020年まででHIV感染妊婦は60例。
推奨されるのは37週で陣痛くる前に選択的帝王切開、準備を万端にする、経腟分娩は不可能ではない
感染陽性なら抗HIV薬を飲む、母乳は与えない、生まれた子どもに抗ウィルス薬のシロップを飲ませる
女性陰性男性陽性なら精子洗浄で妊娠可能
北大はHIV相談窓口として活動しているので相談してほしい。