第37回 ホルモン補充療法する人に朗報 乳がんのリスクを上げない「天然型の黄体ホルモン」が保険適用に
2024年8月19日 人生100年
富士製薬工業株式会社 太田幸二 氏 小原理太郎 氏
更年期閉経前の5年と閉経後の5年とを合わせた10年間
周閉経期にみられるホルモン変化エストロゲンが大きくゆらぎながら低下していく
更年期女性に出現する症状40から80がある。トップは倦怠感肩こり不眠症等
治療はHRTホルモン補充療法がある。症状の緩和だけでなくヘルスケアとして使用。
黄体ホルモンが必要な理由は子宮体がんや子宮内膜増殖症の予防のためである。
若槻先生のビデオから;エフメノは2021年9月に承認された。HRTの際、黄体ホルモン併用が必要だが日本では未発売で他の薬を代用していた。天然型黄体ホルモン製剤の乳がんリスク比は1.0と上昇しない、一方合成黄体ホルモンの乳がんリスク比は1.69である。エフメノにより乳がんのリスクがなくなった。
また、天然型黄体ホルモン製剤は、エストロゲンのHDLコレステロールの上昇効果を温存し、血管内皮機能への悪影響を与えない。天然型黄体ホルモン製剤が合成ホルモン製剤に比べてアンドロゲン作用がないためと考えられている。
合成黄体ホルモンと同様の子宮内膜増殖抑制作用がある
HRTの禁忌は8項目である。血栓症関連は不可。乳がん禁忌。
卵胞ホルモン投与時の内膜増殖あれば排泄させる。副作用として不正性器出血がある。
エフメノの構造。天然黄体ホルモンと同じ構造。合成ホルモンと化学構造が違う。
天然型黄体ホルモンはフランス1980年に開発され40年の歴史がある。現在世界では100か国以上で認証・販売されている。
保険適応があるのでエフメノを選択してほしい。