医療法人社団ブロッサム 苗穂レディスクリニック

プリンシパル研究所

第44回 ロタウィルスワクチン、RSウィルスワクチン、帯状疱疹ワクチンについて

  2025年5月26日    人生100年

2025年5月26日 

グラクソ・スミスクライン株式会社  森田慎理氏

世界のワクチン状況、149か国でワクチン意識調査で日本はワクチン安全の認識は低く、摂取率は低い。特に子宮頸がん予防ワクチンは遅れたが少しずつは改善されている。

赤ちゃん用の飲むワクチン、ロタリックスは2回飲む、効果がある。ロタウィルス胃腸炎は生後6か月から17か月まで入院が増える。副作用で腸重積が出ることがある。

RSウィルスは子どもだけでなく成人にも多くの罹患者がいる。インフルエンザに比べ重症になるケースがあるが初期はインフルエンザと区別がつかない。そもそも保険適応が無い。治療薬がない。

日本のRSウィルスによる急性呼吸器感染症は年間70万件、1割が入院、しかも長引く。国からの要請でRSウイルスワクチンが作られている。不活化ワクチンである。1回筋肉注射。費用は3万円近い。50歳以上で基礎疾患がある方はメリットが多い。グラクソスミスクライン社のワクチンは50歳以上基礎疾患がある方または60歳以上が対象。妊婦用はファイザー社のものが適応である。

帯状疱疹ワクチンが定期接種になった。65歳以上の方はこの5年以内に接種を勧める。自治体により費用は変わる。地域の行政のHPに詳しく掲載されている。札幌市は生活保護の方は無料である。

加齢に伴い、細胞性免疫の低下とウィルスの再活性化により帯状疱疹患者が増える。宮崎県では80歳以上では3人に一人発症している。帯状疱疹の再発も高齢者特に女性に多い。体の部位のどこに出来るかわからないが顔面に出来ると瘢痕残ることがある。高齢者は神経痛が残る場合がある。帯状疱疹の痛みはどれだけ辛いのか調査したところ陣痛より痛いと訴える方もる、いつ治るか分からないのも辛い。陣痛は終わりがある。リスクある方、免疫下がっている方、糖尿病の方などは18歳以上がワクチン対象となる。このワクチンでは細胞性免疫を上げる役割もある。11年後の効果が87%であった。今は追加接種の予定はない。副反応は疼痛、発赤がある。3日程度で副反応は改善することが多い。予定がある場合は接種を控えるように。接種回数は2回。2026年1月までに定期接種1回目を受けると年度内に2回受けることができる。1回のみだと効果が上がらないとされる。

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