第46回 RSウィルスワクチン≪アブリスボ≫について~感染症を防ぐために~マダニワクチンのミニ情報も
2025年9月1日 人生100年
2025年9月1日
ファイザー株式会社 奈良麻里衣 氏 新津尚哉 氏
RSウイルスワクチン・アブリスボの接種率は北海道は10%くらいで全国で37番目くらいで低いです。
全国16自治体で全額または半額の助成金があります。北海道では東神楽町と七飯町、神恵内村等で助成されています。
2024年5月に発売になったワクチンです。
アブリスボは、60歳以上の高齢者と妊婦さん(妊娠24週から36週)に使用する二価ワクチンです。今のところ1回接種です。
RSウィルスは基礎疾患があっても60歳未満なら重症化しない事がわかっています。
ベビーの感染を防ぐために妊婦さんにワクチンを接種します。早産児などはRSウィルス感染重症リスクが高い事も分かっています。
2022年アメリカで60歳以上の方のRSウィルス感染がきっかけの死亡例がありワクチンが採用され、同年妊婦へのワクチン接種が始まりました。
RSウィルス感染すると発熱鼻水等の上気道炎が出てきます。1歳まではRSウィルスの検査は保険適応です。
ワクチン接種後母体内で抗体が産生され、胎児に移行するまでには2週間程度必要とされています。妊娠初期ではなく出産に近い週数でワクチンを打つ方が抗体が長くされることが分かっています。生後6か月間最もリスクの高い時期にRSウイルス感染症からベビーを守ることができるのです。
マダニワクチンについてお話をお伺いしました。
北海道では2024年8月までに7名のダニ媒介性脳炎の発症が確認されています。野外で活動する機会が多い方はマダニに咬まれるリスクが高いため、十分な予防を行うことが推奨されます。
ダニ媒介性脳炎ウイルスに感染すると、一定の潜伏期間のあと、頭痛、発熱、悪心・嘔吐などの症状があらわれることがあります。また、進行すると精神錯乱、昏睡、麻痺などの脳炎症状がおこったりします。
また、トラベルワクチンのひとつに注目されています。欧州ロシア、チェコ、リトアニア、ドイツ、スウェーデンで発症例があり、特にオーストリアでは定期接種になっています。留学生や外務省、自衛隊などの方はこのワクチンが推奨されています。2024年3月日本で承認されました。