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プリンシパル研究所

第48回 「キャップバックス」成人における肺炎球菌感染症予防の新たなスタンダード

  2026年1月20日    人生100年

2026年1月20日

MSD 小島成章氏のお話から

「小児における定期接種の普及により変化した成人の肺炎球菌感染症の疫学に対し、新たに開発された成人特化型ワクチン『キャップバックス』が、いかにして現代の予防ニーズに応えるか」という点にあります。

従来のワクチンではカバーしきれなくなった血清型が増加している現状を踏まえ、これからの成人における肺炎球菌感染症予防には、より高いカバー率と長期的な免疫記憶をもたらす「キャップバックス」が最適な選択肢となり得るということです。

「侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)」の危険性や、ワクチンの「世代交代」といった重要な視点が示されました。 

肺炎球菌感染症の脅威と現状肺炎は65歳を過ぎると死亡原因の上位となり、一度でも肺炎で入院すると予後が悪化する傾向にあります。肺炎の原因菌として最も多いのが「肺炎球菌」です。

特に恐ろしいのは、本来菌が存在しない血液や髄液に菌が侵入する**「侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)」**であり、これは致死率が20%を超え、発症からわずか1〜2日で死に至るケースも少なくありません。

ワクチンの「世代交代」:なぜ新しいワクチンが必要なのか?長年使用されてきた23価ワクチン(ニューモバックス)は、かつてIPDの80%以上をカバーしていましたが、小児での肺炎球菌ワクチン定期接種の普及という「間接効果」により、流行する血清型が変化しました。その結果、現在ではカバー率が56%まで低下しています。この変化に対応するため、現在の成人で問題となっている血清型を的確にカバーする新しいワクチンが必要となりました。「キャップバックス」は、この変化に対応するために開発された成人特化型の21価ワクチンです。

• 高いカバー率:不要になった型を削り、近年増加している薬剤耐性や致死率の高い型を新たに追加。これにより、IPDカバー率を再び8割以上に引き上げました。

• 長期的な免疫記憶:「結合型ワクチン」という技術により、免疫記憶を担うメモリーB細胞を活性化させます。これにより、従来のワクチンのように5年ごとの再接種は原則不要となり、基本的に1回の接種で長期間の効果が期待できます。

現在の定期接種ベースはニューモバックス23価。65歳のみが定期接種対象。自治体で価格が異なる。札幌市は4,400円自己負担で1回のみ定期接種対象。接種5年で抗体価が落ち始めるため、5年以上で再接種推奨。

今日紹介するキャップバックスは、近い将来定期接種対象になることが決まっているが、時期は未定。発売してすぐで、議題には載っている

新しいワクチン接種の考え方 2023年9月に改訂された日本感染症学会のガイドラインでは、この新しいワクチンがすでに推奨されています。

接種の推奨対象者

• 65歳以上の高齢者:1回の接種で済むため、年齢を問わず推奨されます。

• 基礎疾患を持つ成人:慢性心疾患、呼吸器疾患、糖尿病、腎不全など、肺炎球菌感染症のリスクが高い基礎疾患を持つ方は、65歳未満でも接種が推奨されます。

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