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プリンシパル研究所

第20回 骨を強くするカルシウムを効率よくとるコツ~骨粗鬆症予防のため~

  2022年11月7日    人生100年

2022年11月7日

プリンラボ

骨を強くするカルシウムを効率よくとるコツ~骨粗鬆症予防のため~

旭川大学短期大学部 食物栄養学科

木藤宏子先生 

栄養とは、呼吸、消化吸収、排泄、運動、成長、繁殖などの生理現象を維持し、健康な日常生活を送るために 必要な物質を外界から摂取し、これを利用し、不要なものを排泄しながら生命を維持していくことを指す。

からだは食べたもので日々つくりかえられている。

個人差年齢差があるが、 骨が全部入れ替わるには2から3年

赤血球:120日

皮膚:30日

腸管の上皮細胞 数日

作り替えるための材料(栄養素)が不足すれば、思うような作り替えができなくなる

骨の基質はタンパク質。

そこにカルシウムやリンなどが加わり、作り替えが活性化するためには、ビタミンDが 関わるが、ビタミンDはプロビタミンDとして体内に取り込まれてから、日光を浴びることで活性化してはじめて働く。

きちんと食べていないと、カルシウムだけ摂っていても上手に作り替えは進まない。

骨代謝 骨形成促進:カルシウム、ビタミンD、身体活動

骨破壊促進:副甲状腺ホルモン増加、エストロゲン減少、カルシトニン減少

骨の代謝に関係する主な栄養素 タンパク質、カルシウム、リン、マグネシウム

:材料

ビタミンD:カルシウム代謝・骨代謝に必須

ビタミンK:骨関連のタンパク質代謝に必須

ビタミンC:骨基質タンパク質であるコラーゲン代謝に必須

骨の代謝に関係する栄養素を食事から取るために知っておきたいこと

●タンパク質:体内で分解された体たんぱく質のアミノ酸と食事から摂取されたタンパク質が 消化されてアミノ酸になったものとともにアミノ酸プールに入り、新しいタンパク質の合成に利用される。 アミノ案は20種類あり、その中で、食事からとらなくてはいけないアミノ酸を必須アミノ酸という。 必須アミノ酸が基準値を超えているタンパク質は良質なタンパク質でもあり、アミノ酸スコアが100に近いほど 質が良いとされる。

動物性の食品は、ほとんどアミノ酸スコア100。

植物性では大豆が100

ただし、アミノ酸スコアにこだわるより、肉・魚・卵・大豆・大豆製品・牛乳・乳製品と米、パン、とうもろこし を組み合わせると、食事全体のタンパク質がよくなるので、主食、主菜、副菜を組み合わせることが大切。

●カルシウム:骨はタンパク質(主にコラーゲン)からなる基質にカルシウムおよびリンなどからなる骨塩が沈着してできている。 吸収率が低い栄養素なので、吸収率がよく量がとれる食品から摂取するのが大切

牛乳・乳製品(約40%)、小魚(約30%)、野菜(約20%)

食事摂取基準の推奨量は成人女性650mg、12~14歳800mg

●ビタミンD:カルシウム代謝・骨代謝に関わる脂溶性ビタミン

1日に必要な目安量は5.5㎍/日 魚からの摂取が一番

白さけ1切れ80gで25.6㎍ シラス干し大さじ2杯10gで6.1㎍

●ビタミンK:血液の凝固と骨形成を助ける働きがある脂溶性ビタミン

体内でも腸内細菌から合成され、体に必要な分の半分ほどを補っている

血栓症の人や抗凝固剤を服用している人は摂取量を控えるよう指示されている

成人の目安量は男女ともに150㎍ 納豆1パック50gで300㎍

意識することで、不足の部分が補われる

コップ1杯の牛乳を飲む 料理にも牛乳を使う

主食・主菜・副菜を整えた食事を1日2回以上摂る

野菜の料理(副菜70g)をもう1品、葉野菜(緑黄色野菜) 魚も食べる。

(肉・魚・卵・大豆・大豆製品・牛乳・乳製品など偏りなく取り入れる)

乳和食:出汁などの代わりに牛乳を使用することで、調味料の量を減らし、コクやうまみを増加させることで減塩ができる

骨形成には運動も大切

遺伝的要素もあり、食生活を意識する 定期的な健診も受けて備える

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