第39回 人工妊娠中絶薬の厚労省からの制限緩和について
2025年1月7日 人生100年
ラインファーマ株式会社 関戸雄大様
メフィーゴパックについて
一部制限緩和となりました。2剤目服用後は条件を満たせば帰宅可能となりました。
当該医療機関から半径16㎞以内に自宅があり、かつ二次医療圏又は周産期医療圏内の方は帰宅適応となりますが市外の方は入院あるいは院内待機となりました。子宮出血があれば1週間以内に受診が必要です。再診は必須です。
本剤は妊娠9週0日以下が適応です。オーストリアやカナダで同じパック製剤が発売されています。
ミフェプリンストンは90か国で採用、ミソプロストールは65か国で採用され経腟投与なども行われています。海外では12週まで使用されてる国もあります。フランスでは7割で人工妊娠中絶薬が選ばれています。オーストラリアではプライバシーが守られるなども理由の一つです。
ミフェプリンストンは妊娠継続の阻害でありミソプロストールは子宮頸管熟化や胎嚢排出効果があります。重篤な肝機能障害や抗凝固薬や抗血小板薬等の使用の方は適応がありません。
花粉症患者でステロイド吸入薬使用の方は効果減弱することがあり注意が必要です。
2剤とも医師の面前での服用が必要です。1剤目服用後に胎嚢排出が認められた場合でも2剤目服用が推奨されます。
治験120例で2剤目服用後24時間以内で胎嚢排出は約93%成功しました。8時間以内に9割が胎嚢排出がありました。本剤で下腹部痛だけでなく下痢や嘔吐が出ることがあります。治験全例で鎮痛剤を使用しています。鎮痛剤はロキソニンやカロナールを使用しました。そのほか普段使用している月経痛対応薬を使用しましょう。今回の治験で感染症の副作用報告はありません。
1剤目服用後に胎嚢排出されたのは2例でした。
胎嚢排出直前は出血が多く、排出後は出血が減少します。
海外では2剤使用後の胎嚢排出が無く妊娠継続を希望された場合で胎児の先天異常を認めたケースがありました。