第28回 女性の睡眠障害 夜間頻尿と関連
2023年9月11日 人生100年
2023年9月11日
フクダライフテック株式会社 工藤 瑞稀 氏
日本人の5人に一人は睡眠障害がある
①不眠症②過眠症③概日リズム睡眠障害④睡眠時随伴症⑤睡眠時呼吸障害⑥睡眠関連運動障害
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中の無呼吸/低呼吸が断続的に繰り返される結果、日中の眠気をはじめとする諸症状が現れる疾患
一晩7時間の睡眠で10秒以上の無呼吸が30回以上、または睡眠1時間あたりの無呼吸低呼吸が5回以上
男性だけでなく女性は閉経後のホルモンバランスの変化によりSASが増加
SASの症状(頭痛、倦怠感、不眠、寝汗)が更年期障害に似ていることから発見が遅れてしまうこともある
BMI25以上の肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症あればなりやすい
日本人女性は顎が小さい方も多く、やせ型なのに隠れたSASもいる
夜間頻尿があればSASも考えられる。無呼吸状態を繰り返すと脳が起きていると判断し交感神経優位となる。交感神経優位であれば活発に尿が作られるため頻尿になる。
睡眠中の低酸素血症などが生活習慣病と密接な関係があり、様々な合併症(脳血管障害、心疾患、高血圧、糖尿病など)を引き起こす。
SASが関連する居眠り運転が原因での交通事故を増やす。
改正された道路交通法では、自動車の運転に支障を及ぼす恐れがある病気として免許の拒否ないしは取り消し等の事由となる疾患のなかに「重度の眠気の症状を呈する睡眠障害」が含まれている。
正しく治療することで、合併症のリスクや死亡率への影響を健常者とほぼ同等まで減らすことができる
スクリーニング検査 ESS エプワース眠気尺度がある。
終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査PSG 自宅用簡易型と1泊精密型検査あり
睡眠評価装置PulSleep LS-140 一晩使用する就寝時に手首と指先と鼻につける
結果は数値で算出 AHI無呼吸低呼吸指数でCPAP適応を判断
治療としてCPAP(持続的陽圧呼吸療法)、マウスピース、外科手術、生活習慣改善(減量、側臥位で寝る工夫、アルコールを控えるなど)がある